やらまいか(遠州弁で「やってみようじゃないか」という意味)精神に溢れる静岡県浜松市は、スズキ、ヤマハ、ホンダ、カワイ、浜松ホトニクスなど、浜松を創業の地とし世界を舞台に活躍する大企業が立地するとともに、多くのベンチャー企業が集積する「創業者の街」です。そのような土地柄もあり、浜松では産学官金連携が活発です。専門性が違うチームが有機的に機能し、新しいアイデアを生み出しながら地域の産学官金連携をさらに活発にするために、浜松医科大学、静岡大学、浜松市、地元の金融機関や企業から若い人も含め多くの人に参加していただき、今年の3月に「浜松の未来を考えるワークショップ」を開催しました。このワークショプで「デザイン思考」を体験しながら学びたいと考え、インストラクターを上野さんにお願いしました。
「デザイン思考」という考え方は単なるトレンドではなく、歴史ある幅広い背景の中で生まれてきた考え方ですが、上野さんはそれを分かりやすく説明され、自然にその必要性や有用性を実感できるように指導してくださいました。それだけでなく、上野さんの人を惹きつける魅力が加わり、あっという間にワークショップの時間が経っていて驚きました。また参加者が自ら考えるよう上手く距離をとって、付かず離れず指導する上野さんからは、医学教育に携わる私たちにとって学ぶことが多く、人への共感を起点に発想する「人間中心」の考え方である「デザイン思考」が教育にも活かせるのだと実感した次第です。
上野さん、これからも益々ご自分の思考法、指導法に磨きをかけ、我々をリードして下さい。私たちも上野さんを応援していきたいと思っています。

山本 清二 様

国立大学法人 浜松医科大学
理事(教育・産学連携担当)・副学長、脳神経外科専門医、医学博士